料理に使えるチーズたち

「このチーズはどう食べるのがおすすめですか?」
ご来店されるお客様から聞かれる質問の一つです。
私達日本人にとってチーズといえば料理に使うもの、というイメージが強いですが、実のところ当店で取り扱うナチュラルチーズは、そのまま食べていただくのが一番贅沢な食べ方です。
極力機械化を避け、職人や酪農家の手で丁寧に作られたチーズは、工場チーズにはないふくよかな香りや味わいがあります。
また、熟成を経て生まれる旨味は時に繊細です。
加熱すると損なわれてしまうこともあるため、 注意が必要です。

とはいえ「本格派のチーズをお料理に使いたい!」という方もいらっしゃるでしょう。
そんなグルメで料理好きな皆さんに、今回は料理にもおすすめのチーズをご紹介します。
ここでのポイントは「塩味」「風味」 「食感」 です。

1.塩味

塩分の強いチーズは、料理の味付けとして役立ちます。
食塩と違いチーズの持つ旨味が発揮されるため、あれこれ材料を足すことなく「これだけで味が決まる!」といったシンプルかつ贅沢な料理が完成します。

例えば羊乳を使ったイタリア最古のチーズ「ペコリーノ・ロマーノ」。
保存性を高めるため塩分が強めのこのチーズは、すりおろして卵と混ぜ合わせ、茹でたてのパスタと絡めるだけで、立派なパスタソースに。
ちなみに本場のカルボナーラは厚切りベーコンとペコリーノ・ロマーノを使用し作られています。

また、定番の青カビチーズ「ゴルゴンゾーラ・ピカンテ」はピザの「クワトロ・フォルマッジ(四種のチーズ)」やチーズパスタのソースに欠かせない存在です。
こちらは塩味だけでなく、独特の香りも料理の美味しさに一役買っています。

2.風味

トッピングとしてのチーズも侮れません。
パスタの仕上げにパルメザンチーズを思い浮かべる方は多いですよね。
パルメザンチーズはイタリアのチーズの王様「パルミジャーノ・レッジャーノ」を模倣して作られたもの。
しかし厳格な製法、最低1年という長い熟成期間を経て作られた本場の「パルミジャーノ・レッジャーノ」に敵うものはありません。
ドライパイナップルを彷彿とさせる豊かな香りが広がり、料理のグレードを一段格上げしてくれる筈。
パスタだけでなくサラダの彩りとしても最適です。

パルミジャーノ・レッジャーノは長い熟成期間を経て旨味が凝縮したハードチーズ。本場イタリアではチーズ本来の味わいを楽しむために、かち割ってつまんで食べるのだとか。

3.食感

チーズといえばモチモチ、とろ~りとした姿を思い浮かべるという方には、食感が楽しめるスイスチーズがおすすめです。
トムとジェリーでお馴染みの穴あきチーズは、「エメンタール」と呼ばれるチーズ。
まずは1センチほどにスライスしたものを食パンにのせてトーストしてみてください。まるで「アルプスの少女ハイジ」で夢見たチーズパンのように、とろけてもっちりとした食感のチーズが楽しめます。
エメンタールはクセのないミルキーな味わいですので、お子様にもおすすめです。
また、当店が取り扱う日本初上陸のスイスチーズ、「ロマンティック・レイク」を使用すればぐっと大人向けの、お酒にぴったりな味になります。

まとめ

今回は料理に 「塩味」「風味」 「食感」 をプラスしてくれるチーズをご紹介しました。
当店で扱っているチーズに限らず、皆さんが次に料理用のチーズをお買い求めの際は、是非こうした点を考慮してみてはいかがでしょうか。

最後に、おまけとして「ペコリーノ・ロマーノ」を使ったレシピを一つご紹介。
「貧乏人のパスタ」と訳されるスパゲッティ・ポヴェレッロは、簡単な材料で作ることが出来ます。
しかし、シンプルなレシピこそチーズの美味しさが引き立つもの。
筆者も一度試してみましたが、貧乏人の、と名のつく料理とは思えない美味しさに驚きました。是非一度お試しください。
それでは皆さん、ここまで読んでいただきありがとうございました。


スパゲッティ・ポヴェレッロ

【1人前】

・スパゲッティ・・・・・100g
・卵・・・・・・・・・・2個
・オリーブオイル・・・大さじ1
・にんにく・・・・・・・1片
・黒コショウ・・・・・・適量
・ペコリーノ・ロマーノ

1.スパゲッティを1分程短めに湯がき、茹で汁をとっておく。
  フライパンで目玉焼きを2個つくっておく。
2.フライパンにオリーブオイルとスライスしたにんにくを
  熱し、香りが立ったら目玉焼き1個をほぐし入れる。
3.茹でたパスタ、茹で汁を大さじ2を加える。
4.すりおろしたペコリーノ・ロマーノを大さじ2程度加える。
5.器に盛りつけ、目玉焼き1個をのせる。
6.お好みで黒コショウ、ペコリーノ・ロマーノを振りかける。