職人の手仕事が生むゴーダチーズ

職人の手仕事が生むゴーダチーズ

今回ご紹介するのは当店の看板商品の一つであるオランダ産ゴーダチーズ。
ゴーダチーズは我々日本人の味覚にも良く馴染むため、スーパーなどでも比較良く売られているのを見かけます。
わざわざチーズ屋さんで買うまでもないと思われるかも知れませんね。
ですが、こだわり抜いた「正真正銘の」ゴーダチーズの味わいは市販のものと比較にならないほど美味。
では「正真正銘の」ゴーダチーズとはどういったチーズなのでしょう?
オランダのチーズ職人たちのこだわりも織り交ぜつつ、ご説明していきましょう。

酪農へのこだわりと農家製チーズ

風車のある夏の牧草地でのびのびと過ごす幸せそうな乳牛たち。
こうしたオランダのイメージは、実はかなり忠実に守られています。
年間120日間以上・1日6時間以上の放牧、動物福祉を徹底した飼育方法、気候に配慮した設備投資。オランダは酪農先進国として、業界全体を挙げて持続可能な酪農に取り組んでいます。
というのも、オランダの農産物の輸出額はアメリカに次ぐ第2の国。
その中でも乳製品であるチーズはオランダの特産品として重要な位置を占めています。
最も有名なものはゴーダチーズで、そのレシピは世界中のチーズ製造者によってコピーされています 。
しかし、同じ味のレベルになることはほとんどありません。
世界中で大量生産されるゴーダチーズに対して、オランダでボエレンカス(Boerenkaas)と呼ばれるチーズは、Boeren=農場(Farm)、Kaas=チーズ(Cheese)と呼ばれる通り、牧場で搾られた生乳を使用し、牧場主さん自身が手作している正真正銘の農家製チーズ。
自然の中で牧草やハーブを食べて育った牛たちのミルクと、受け継がれたチーズ作りの知識が、「正真正銘の」味わいを生むのです。

牧場の伝統を紡ぐチーズ作り

当店が取り扱うゴーダチーズは、De Producentというオランダのチーズ組合から直接買い付けたものです。
1915年に設立され100年以上の歴史を持つDe Producentは、20を超える酪農家たちが集まり、各々の家に伝わる伝統のレシピを用いてボエレンカスを生み出しています。
そのほとんどの工程は今でもチーズ職人たちの手作業で行われています。

De Producentの一員であるDoornspijk 家の声をご紹介しましょう。

1865年まで遡る私達の農場は、フェルウェ湖の美しいほとりにあります。搾乳後、新鮮な牛乳はすぐに美味しいボエレンカスに加工されます。しかし、私たちの高品質なチーズの秘密は、ここで育つ牛たちが毎日外で食べるハーブと草を巧みに選んでいるからかも知れません。このことはまた、ミツバチ、昆虫、牧草地の鳥の個体数にも貢献しています。

Familie van Zeeburg uit Doornspijk  (https://www.deproducent.nl/onze-boeren/)

彼らの酪農とチーズ作りへの深いこだわりが伺えますね。

De Producentは2015年に設立100 周年を迎え、王室御用達の指定を受け、季節のハーブやスパイスなどを加えた四季折々のゴーダチーズを生み出しています。

本場の本物を

「正真正銘の」ゴーダを生む酪農家たちのこだわりを感じていただけたでしょうか。
職人たちの手業で生み出された伝統的なボエレンカスは、表皮を蝋でコーティングし熟成され、若いものは3か月から楽しむことができ、5年以上熟成させることもできます。
若いゴーダはクセがなく、老若男女に愛される定番チーズ。一般的な市販品との違いを純粋に感じていただくためには、是非ここから味わっていただきたいと思います。
一方、1年以上熟成させたものは、なかなか巷ではお目にかかれないものです。
水分が抜けぎゅっと旨味が濃縮されオレンジ色に変化したゴーダは、ボロボロと砕けやすい一方、旨味成分であるアミノ酸の結晶が口の中でキャラメルがほどけるように広がり、驚くほど濃厚な味わいが感じられます。
熟成期間に応じた味わいの変化も「正真正銘の」ゴーダチーズの楽しみです。

牧場の伝統と手仕事が生むボエレンカスを、是非一度味わってみてはいかがでしょうか。



  • 独立行政法人農畜産業振興機構 「海外情報 畜産の情報  2020年1月号」より https://www.alic.go.jp/joho-c/joho05_000906.html
  • De Producent BA 公式ホームページ https://www.deproducent.nl/